2011年5月アーカイブ

国際奉仕委員会

R財団国際親善奨学生 熊丸耕志さんからの便り


英国に1月8日到着して3週間弱、ようやく身辺も落ち着いてまいりました。
到着当日、私の指定校のあるLoughboroughの隣町にあるLeiceterまでHeathrow空港から
バスで向かい、同地から大変遅い時間にもかかわらず、ロータリアンの方が私の寮まで送ってくださいました。私の指定校変更が受理されたのが直前であったこともあり、
ホストロータリアンは未だ決っておりません。本日まで大変お世話になっている方は、MoriaというLeiceter RCのロータリアンです。RCの活動に誘ってくださったり、家に招いてくださったりと本当に手厚くもてなしていただいております。
こちらに来て学校の手続、担当教授とのミーティング、住居探し、Wigston RCでのスピーチをしました。

 


英国に来て早半年が過ぎ、日々研究にめまぐるしく追われる日々を過ごしております。
同地においては、ロータリアンの方々に非常に良くしていただき、食事を共にしたり、イベントに誘っていただいたりしております。現在6つほどRCでプレゼンテーションを終えたところであります。

さて、今月16日からザンビア共和国に1ヵ月半ほど予備調査に行ってまいります。
私は「アフリカ地方村落における給水技術相違における持続的な給水アプローチに関する研究」といった分野を研究しております。現地ザンビア共和国の地方村落において、最も安全な水へのアクセス率が低いルアプラ州というコンゴ民主共和国との境にある州にて、UNICEFと英国のNGOsと共にプロジェクトを行う予定です。

2009.8.5

 


最終報告書

私は現在、英国レスター州に位置するLoughborough(ラフバロ)大学の博士課程(PhD)でWater, Engineering and Development Centre という研究機関に所属しています。
1 年目のレポート、口頭試問ならびにプレゼンテーションを終え、無事に1 年目のPhil という学位登録からPhD 候補者として再登録となりました。博士課程の1 年目というのは一般的に、研究の核となる課題、論点、そして研究の目的を明確化するために、過去の研究資料やデータといった媒介から関連する機関、研究者からの情報収集や意見交換などに多くの時間を充てることとなり、私の研究も例外なく半年はその様な時間に没頭しておりました。

私の研究テーマは「アフリカの地方村落における給水設備の差異による持続的給水方法の比較研究」です。簡潔には、安全な水を地元住民が持続的に得るには、どの様な手法が最も効果的であるのかということを、現地調査を中心に技術的ならびに社会科学的側面から見ていくという内容です。この研究はサブサハラ以南に位置するザンビアのルアプラ州においてUNICEF 並びに国際NGOs と共に研究プロジェクトを進めており、2009 年にも2 カ月程現地調査を行いました。衛生的に安全な水を誰もが手にすることができる、といったことは多くの先進国では黙過当然の様になっていますが、世界全体ではまだその実現には努力が必要です。

この問題に対して、私の想像を遥かに上回る数多くのロータリークラブが、低収入諸国、特にアフリカ地域の給水施設に対して技術的ならびに金銭的支援を行っていることは驚きであると共に、私にとっては同じ目的を志す事として、大きな励ましとなっております。

その研究漬けの隙間にロータリークラブの例会に出席させていただき、多くの方と交流し、また自身のスピーチをさせていただいた時間は貴重な一息をつく場となりました。

また奨学生コーディネーターの方には多大なる温かいおもてなしを受け、自宅での食事に招いていただいたり、ロータリーの社会事業の一環であるチャリティー野外コンサート等に連れていただき、気持ちを大いにリフレッシュすることができました。更にはロータリー活動の一環である、Rotary Youth Competition という高校生以下の学生達のスピーチコンテストのイベント運営の援助や、フィリピン、インドシナでの自然災害被害者に対する募金活動にも携わることができ、ロータリークラブのその幅広さを肌で感じる意味でも貴重な経験となりました。この様な数多くの行事に参加する、そして参加させていただけるのがロータリー財団国際親善奨学生の醍醐味なのではないでしょうか。

そして、それこそが留学先の現地の生活、人々に溶け込めるまたとない機会である、と言えるのではないかと考えます。

私は将来、海外に留学生として行くことを考えている方達にはこの奨学制度を勧めることは間違いなく、実際に数年後に留学を志している知人に現在勧めているところであります。

大学院留学は一般的に想像以上に、講義や研究に大半の時間を費やすため、留学先の国の文化や習慣まで深く立ち入ることが容易ではなく、その領域まで味わいたいという方には特に魅力的なプログラムだと考えます。当然、私の様に博士課程に進む方にとっては、最低3 年はかかる留学でありますので、その後の2 年間のこともしっかりと視野に入れて準備することを強くお勧めします。

私の場合は、英国に滞在した1 年目に、研究を進めると共に残り2 年間の奨学金を探すことに多少骨を折った結果として15kg の減量が実現したことは想定外でした。

しかし最終的に、残り2 年間を別の団体から奨学金をいただけることとなりましたことも合わせて報告させていただきます。

今後の私とロータリークラブとの繋がりでありますが、今後も許される限り積極的に携わっていく所存であります。具体的には、私の留学はまだ2 年は続きますのでホスト国である英国において、機会があれば是非ロータリー例会に出席させていただき、交流を深めていく所存であります。

またスポンサークブである戸畑ロータリークラブ並びに派遣地区である第2700 地区、福岡県においても、帰国の際は奨学生の責任であります報告をさせていただくと共に、留学中は是非、経過報告を定期的にさせていただければと考えております。

また、日本に戻った際は、派遣奨学生の為のオリエンテーションに参加させていただいたり、どの様なロータリークラブの事業に対して積極的に参加して、私の奨学生としての経験を共有し、留学に対する相談も喜んで引き受ける所存であります。そして、将来、国際公務員となる目標を実現した際には是非ロータリー会員の一員として、将来の奨学生への支援ができればと考えております。

留学とは、自分自身が生活してきた国とは異なる地域で、勉学に励んだり、人々と交流したり、日常生活を送ります。自分を表現したり相手を理解したりするということは今の私も容易でありませんが、可能な限り自分の想いや興味があることを口で表現してみると、思いもかけないところで人と繋がるきっかけになると思います。

どんなに異なる国、言語、文化、習慣であってもどこかに共通する部分が人と日常で関わる以上存在していると思いますので、そのきっかけをロータリー財団国際親善奨学生として育てていけたことは、何にも換え難い私の財産となりました。

末尾となりましたが、2007 年の米国滞在時にこの度のロータリー財団国際親善奨学生に応募させていただいてから実際に奨学生として選考され派遣していただいた今日まで、まさに文字通り数えきれないロータリークラブの方々のご支援を賜り、今の私があることに重ねて深く心より御礼申し上げます。

2010 年3 月3 日

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